MicroStrategyのダッシュボードを使いこなす上でのAIおよびデザイン思考
進化し続けるビジネスインテリジェンスの世界では、AIテクノロジーとデザイン思考の融合が、効果的なダッシュボードソリューションの作成を根本から変えています。この最新のベストプラクティス記事では、ワークフローの効率性をさらに高めるためのMicroStrategyの最新機能の活用に特にスポットライトを当て、ダッシュボード開発においてAIとデザイン原則がどのように融合するかについて掘り下げます。
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5年前まで少しさかのぼり、コールセンタープラットフォームの某有名企業と過去に協働したプロジェクトを振り返ってみましょう。私たちのミッションは、MicroStrategyを利用して当社のビジネスソリューションを高速化することでした。そこで目指したのが、インサイトを明確にする体験を作り出すことでした。それはまるで、散らかった部屋をきれいに片づけて、すべてのピースが適切な場所と目的に収まるようにする作業でした。
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そして今日、AIボットはBIソリューションにシームレスに組み込まれようとしています。興味深いのは、ダッシュボードの中のそれぞれの箱が1つのクエリに対処することに特化しているのと同様に、「1つの質問に対して1つの応答」という原則は今も変わっていないことです。AIチャットボットとの会話は、ユーザーが質問するたびに焦点を絞った正確な応答を返し、明確で魅力的な体験を実現するように設計されています。
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MicroStrategyのAI機能は、この相乗効果を次のレベルに引き上げ、ユーザーが自らのデータから説得力のあるストーリーを難なく作り上げることができるよう支援します。デバイス間でスムーズなパフォーマンスを保証するレスポンシブデザインと、各自の好みに合わせてユーザー体験をカスタマイズするパーソナライゼーション機能を備え、ユーザーごとにカスタマイズされた特別なダッシュボードを作成することに重点が置かれています。
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「AIは上司ではない。AIは運転助手、人間が運転手である」— ジョン・マエダ
テクノロジーは進化し続けていますが、効果的なデザインの原則は不変です。ベテランのアナリストであろうと、業界に入りたての素人であろうと、3つの原則を常に心に留めておいてください。すなわち、「単純であること」、「明確であること」、「ユーザーを第一に考えること」です。これには、ユーザーフローとビジネス上の決定を導く明確な目標を定義すること、ユーザーのペルソナに基づいてインサイトの優先順位付けをサポートすること、透明性を維持することが含まれます。こうすることで、ユーザーは中身がわからないブラックボックスとやり取りしているかのように感じることなく、AI搭載アプリとシームレスに連携できるようになります。
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それでは、本腰を入れて、それぞれのベストプラクティスについてさらに深く掘り下げていきましょう。
1.MicroStrategy AIを利用してデータストーリーを語る
データには意味を持たせるためのストーリーが必要であり、視覚的インサイトからダッシュボードオーサリング、MicroStrategy AIに至るまでの旅路は、私のようなMicroStrategyアナリストのために無限の可能性の扉を開いてくれています。AIのアップグレードは、データストーリーテリングを次のレベルに引き上げます。Autoダッシュボードを使用すると、概要を簡単に確認して興味深いストーリーを見つけられ、何度も試行錯誤を繰り返す必要はありません。チャットボットに単純な質問をすると、特定のリサーチトピックに特化したダッシュボードが生成され、ひらめきを与えてくれます。
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Autoダッシュボードで概要を確認し、何度も試行錯誤を繰り返さずに興味深いストーリーを見つけられます
特筆すべきもう1つの機能は、Autoアンサー用チャットボットとのやり取りです。これは、基本的に進化するアシスタントで、最高レベルのインサイトを提供するだけでなく、適切なチャートでデータを視覚的に提示することも得意としています。AIを導入すると、ストーリーテリングの旅がシームレスに強化され、エンドユーザーにとってより直感的でダイナミックなものになります。
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Autoアンサーを使用してセルフサービスインサイトを作成します
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Autoアンサー機能は、迅速にインサイトを提供するだけではなく、アナリティクスを効率化するためにあらかじめ定義されたプロンプトを提供し、データ分析プロセスを合理化します
2.レスポンシブデザインによりあらゆる場所でインテリジェンスを支援する
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Webデザインに精通している方にとって、当社のレスポンシブビューとレスポンシブWebデザインは馴染み深いものでしょう。これは、要素を小さなブロックに分解し、モバイルデバイスの縦画面用に配列して、一工夫加えるデザインです。ダッシュボードオーサリングでは、ブレイクポイントは768pxの1つのみです。当社は、コンテナを視覚的に「グループ化」する作業を容易にしました。モバイルデバイスで表示する場合、レスポンシブビューが表示を管理し、キャンバス上でグループを「Z-path」順(左から右、上から下)に縦に配置します。
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ダッシュボードオーサリングにおいてブレイクポイントは768pxのみです
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コンテナがシームレスに「Z-path」に従うようにします
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境界線のないキャンバスデザインは、画面サイズが小さくなるほど読みにくくなります。むしろ、個別のレイアウトグループを用いて作成されたダッシュボードの方が、画面サイズに関係なく機能するのが一般的です
3.柔軟なレイアウトオプションを用いてユーザーの視覚フローを誘導する
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大きなフロントパネルをデザインすると、より鋭い分析が暗いパネルの背後に位置していることを示唆できます
レイアウトの整理によってユーザー分析フローをデザインするときは、論理的フローの作成を考慮することが重要です。私は、Freeform、Auto、縦スクロールページレイアウトを使用していろいろと試し、組み合わせたりマッチングさせて、フローに最適なレイアウトを見つけるのが好きです。
視覚効果を取り入れることは、ユーザーの分析過程を誘導する上で重要になります。例えば、大きいフロントパネルをデザインすることで、暗いパネルの背後により深い分析をさりげなく示唆することができます。縦スクロールページと矢印の図形を実装することで、ユーザーを段階的に誘導しやすくなり、データを上から下へ完全に提示することが容易になります。また、カラーブロックを使用することで、メニューとコンテンツのつながりが強固になり、ユーザーエクスペリエンス全体が強化されます。
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縦スクロールページと矢印の図形を適用することで、ユーザーを上から下へ段階的に誘導し、データを深く掘り下げられるようになります。
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カラーブロックを使用して、ユーザーにメニューとコンテンツの強固なつながりを意識させます
4.適切な視覚表現によってアイデアを伝える
リッチテキストエディターを使用すると、個別のキャラクターレベルで複雑な書式を設定できます。これは、ブリーフィングサマリーでダイナミック属性やメトリックテキストを強調するときに特に役立ちます。
ダッシュボードオーサリングは、すぐに使用できる図形要素を幅広く提供します。こうした要素は、ビジュアリゼーションの枠組みの作成、多層効果の演出、インサイトの全体的な構成の強化において有用性が証明されています。
フリーフォームレイアウトは、カテゴリアイコンを使ったリングチャートの作成や、特定の業種に合わせてカスタマイズされたPNG形式の透明画像の組み込みなど、要素を組み合わせて多様な視覚表現を実現するための柔軟性を提供します。
さらに、このプラットフォームはGIFアニメーションをサポートしているため、視覚的な訴求効果を高めることができます。とりわけ、各種図形は、見た目に美しい要素であるだけでなく、巧みな構造のナラティブを維持するうえでも欠かせません。その上、色のしきい値を適用する機能が洗練さというもう1つのレイヤーを加え、見た目に魅力的で情報が豊富なプレゼンテーションを実現します。
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情報ウィンドウをドロップダウン(左)/隠れたサイドメニュー(右 — 提供元:Xingyu Cai)として適用します
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図形(直線 + 三角形)を使用して、2つのリングチャートの比較があることを示します
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PNG画像を使用して独自の棒グラフを作成し、音楽産業向けのインサイトを提示します。ビジュアリゼーションのルック&フィールを、分析の共通視覚要素にマッチングします(つまり、棒グラフをオーディオスペクトラムに見せます)。
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動的テキストを使用して時間に基づいたメッセージを表示し、最後に更新されたコンテンツを示すドットを作成して、詳細カラーしきい値とカスタムフォーマットをいくつか活用し、グリッド内にカスタムラベルやインジケーターを作成します
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ビジュアリゼーション用に現在定義されているすべてのしきい値のリストが、詳細しきい値エディターに表示されます。これらのしきい値を使用すると、グリッドの機能を強化して、より豊富な意味を伝えることができます
5.MicroStrategyオファリングを利用してユーザーエクスペリエンスをパーソナライズする
AI時代にBIプロジェクトを成功へ導くための鍵は、パーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを実現することであると信じています。フィールドエージェントが自分のニーズに合わせてカスタマイズされたダッシュボードにログインし、ウィジェットを選択して、目標を設定し、関連情報に難なくアクセスする様子を想像してください。
MicroStrategyを利用すると、カスタマイズ可能なパネルスタックを作成し、動的調整用パラメータなどの機能を使用できます。システムが最後の選択内容を記憶するため、スムーズなワークフローが確保されます。
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パラメータデモデザイン — 提供元:Julia Zhu
レイアウトデザイン作業中は、リアルタイム意思決定にDeep Diveを使用することで、多層データ分析によりユーザーを誘導することに専念します。ダッシュボードオーサリングでは、フィルターパネル、情報ウィンドウ、Hyperカード、大規模データセット用のコンテキストリンクなど、さまざまなアプローチを提供します。このような方法を取り入れることで、データの操作と解釈において誰でもより直感的で魅力的なユーザーエクスペリエンスを作り上げることができます。
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上のスクリーンショットは、パーソナライズされた3つのランディングダッシュボードを示しています。それぞれ、関連するチャートやユーザー定義ターゲットを常に表示するように、ユーザーによってカスタマイズされています。
まとめ
MicroStrategyは、BIの分野で優位性を発揮するためのツール一式を提供します。テクノロジーが進化しても、効果的なデザインの永久不変の原則は変わりません。ベテランのアナリストであろうと、業界に入りたての素人であろうと、「単純であること」、「明確であること」、「ユーザーを第一に考えること」がダッシュボードデザインを成功へ導くための合言葉であることを覚えておいてください。